サカナクション「15.0」STUDIO SESSIONを心行くまで堪能しました

2022年5月7日~5月9日の3日間に渡って行われた、サカナクションの15周年記念STUDIO SESSION「15.0」。

Blu-rayの発売前は生産数の兼ね合いからリリースされない可能性も浮上しましたが、待ち望んでいるファンのために生産に踏み切った作品です。これは、ファンとして心から嬉しい決断でした。

 

色々なことに追われていた筆者ですが、「サカナクションのBD見たら逆に作業効率上がるかも」と思い3枚組のBDを一気見しました。3時間という長い息抜きを挟んだあとは、ある意味デトックスの領域に入るほどです。最高でした。

 

ということで、今回の記事はサカナクションの「15.0」について詳細&感想をお届けします。

 

「15.0」内容

@サカナクション公式

DISC1 – Day1 (2022.05.07 Sat)

“GO TO THE FUTURE”、”NIGHT FISHING”、”シンシロ”から選曲

M1 : 三日月サンセット

M2 : ネティブダンサー

M3 : Ame (A)

M4 : 夜の東側

M5 : 黄色い車

M6 : あめふら

M7 : フクロウ

M8 : 新しい世界

M9 : human

M10 : セントレイ

M11 : 白波トップウォーター (Kuniyuki Takahashi)

M12 : GO TO THE FUTURE (Kuniyuki Takahashi)

DISC2 – Day2 (2022.05.08 Sun)

“kikUUiki”、”DocumentaLy”から選曲

M1 : 潮

M2 : 仮面の街

M3 : 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです』

M4 : アルクアラウンド

M5 : 表参道26時

M6 : アンタレスと針

M7 : ホーリーダンス

M8 : years

M9 : シーラカンスと僕

M10 : ドキュメント

M11 : エンドレス

DISC3 – Day3 (2022.05.09 mon)

“sakanaction”、”834.194″、”アダプト”から選曲

M1 : キャラバン

M2 : ミュージック

M3 : 「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」

M4 : ネプトゥーヌス

M5 : mello sunny dub

M6 : 僕と花

M7 : ボイル

M8 : さよならはエモーション

M9 : 朝の歌

M10 : フレンドリー

M11 : ユリイカ -Rearrange-

M12 : ナイロンの糸 -Rearrange-

M13 : 忘れられないの -Rearrange-

M14 : 白波トップウォーター -Rearrange-

M15 : グッドバイ

「15.0」特設サイト

 

BDの外装について

シンプルながらスタイリッシュなケース
ディスク表面のプリントが映える

 

 

 

感想

チューニングインとメンバーの和気あいあいとした雰囲気から始まる導入は、メンバー同士の中の良さが伺えます。

 

機材でパンパンになったスタジオで中央に向き合うメンバーの姿。

山口一郎の「じゃぁ!15年振り返りスタート!」の一声で始まったのは、デビューアルバム”GO TO THE FUTURE”から「三日月サンセット」。この楽曲で始まるのはまさにサカナクションの軌跡として相応しい幕開けです。

 

1曲ごとにメンバー同士で思い出を語り合う時間があり、メンバーしか知らない当時の思い出話も多く収録されています。普段のライブでも会話が面白いということで有名なサカナクションですが、今回のスタジオライブでは仲の良さから滲み出る素の姿が楽しめます。メンバー全員がお喋りなのもありますし、声を掛け合って楽しく音楽を演奏するのはバンドの理想そのものです。

それでいて締めることろは締めるという緩急があり、彼等の歩んだ15年間の重みを感じます。

 

また、リリース当時のツアー以来ライブで歌われることのなかった楽曲も収録されているので、ファンにはたまらないスタジオセッションとなっています

 

これはもっと多くの人に届くべきBDだ!

限定生産なんて信じられないよ!

 

ハイクオリティの音質と映像

スタジオ収録ということもあり、音質やエフェクターの効きはとにかく新鮮そのもの。

ヘッドフォンから直に飛び込んでくる音はどれも上品なクオリティです。レコーディングエンジニアと長年付き添っている音響スタッフのタッグは、一切ブレと妥協のない音を提供していました。

 

演奏の合間で「ドラムの音でかくない?」と調整するメンバーの姿は、音のクオリティに命をかけているバンドマンらしさも詰まっています。

 

改めて思ったのですが、サカナクションのスタジオセッションって音源以上に良い演奏するんですよね。野外ライブだと迫力が出るように音を調整していると思いますが、今回のスタジオセッションでは限りなく音源に近いチューニングを徹底していると感じました。

 

途中で参加するゲストメンバーも豪華です。

@Kuniyuki Takahashi
@Shotaro Aoyama

Kuniyuki TakahashiやShotaro Aoyamaといったリミックスゲストによる、音の増幅と即興のサンプリング編集も見どころです。音を重ねながら独自の世界を生み出すクリエイティブなアーティストが参加することで、1点張りじゃない世界感を味わうこともできます。

 

Kuniyuki Takahashiの後ろで満面の笑みで揺れる山口一郎氏は夢に出るかもしれません(笑)。

 

それぞれの音が際立って素晴らしいのはもちろんですが、Gt.岩寺さんのコーラスを間近で見られる数少ない映像に興奮しました。「新しい世界」を演奏した際に、レンズの反射で光の丸いリングが出来ているところに岩井さんが映っている映像があります。それが本当に神々しかったんですね。いつも蒼白な顔しているのに、その瞬間の彼はさらに昇天しそうで『逆に』格好良かったんですよ。

すごくズレたこと書いてるかもしれませんが、それくらい映像も最高なんです。

 

Shotaro Aoyamaの披露したRemixが披露も独自の世界に没頭できる時間でした。サカナクションメンバーも聞き惚れた世界観はまさに、聴くアートであり、見るアートでもあります。

 

サカナクション以外の存在も、スタジオセッションの完成度を高めた大きな理由です。

 

緩急溢れる豊かな空間

1曲目から既に面白いのがサカナクションのライブの良さでもあります。

1曲ごとに、楽曲について語るメンバーの姿は友達と会話するような親しみがあり、セッションの合間で爆笑の渦に飲まれる瞬間も多々ありました。

 

Dr.江島「ライジングスターで手売りしてたじゃん。」と結成当初を懐かしむ話題からスタートし、Vo.山口「デビューって知ったのいつだった?BabeStar Labelにいたときの。これってメジャーデビューってこと?っていう(笑)」、一同「曖昧だったかもw」というようなディープな話題で盛り上がるメンバー。

この時点で既に面白い。

 

Ba.草刈「Victor横の居酒屋で集まったよね」、一同「あった(笑)」。

 

視聴者側が、“もしかしたらサカナクションの友達かもしれない”と錯覚するようなアットホームな世界観を堪能できます。

 

当初は5人で飯を作りながら活動するのが当たり前だったということで、伝説のスーパー『フレスコベンガベンガ』で盛り上がるローカルネタの宝庫。開始まだ10分にも関わらず、驚くほど濃い内容に全サカナクションファンが卒倒したでしょう。

 

ネイティブダンサーの収録は青ビルの一画でこじんまりと歌撮りしたという裏話や、楽曲の原案を持ってきたメンバーを間違えるVo.山口に対して、Ba.岡崎「違うわ!」と突っ込む姿も…

そういう雰囲気が詰まってて、どの場面を切り取っても良い映像でした。

 

明るい雰囲気だけではなく、音楽を真摯に語る姿もありました。

 

大震災を乗り越えて作成したアルバム「DocumentaLy」の収録曲に入ると、当時の作詞作曲を振り返りながらも胸の内を語るメンバーに引きつけられる場面もあります。音楽に向き合うことが彼らなりの表現方法であり、それこそがアンサーだということを本人の言葉で聴けたことはファンならずともグッとくるものがあります。

 

「エンドレス」制作のときには、Vo.山口が重責に押しつぶされそうだったとのことです。続くようにVictorの担当者に定点カメラで数十時間激写されていたという裏話も披露されました。面白い話だけれど、それほどに音楽に対する熱い姿勢があるということが分かる話です。

 

レアな楽曲のフルコース

「黄色い車」「あめふら」「human」「仮面の街」「ドキュメント」など、メンバーですら緊張する楽曲が多く披露されました。

 

「human」に関してはライブでも一切披露されない楽曲なので、ここで聴けたことには本当に感動しました。本楽曲はとにかく音を合わせるのが命なので、野外などの音が拡散する場面では披露しない楽曲です。そういうレアな楽曲を織り交ぜたフルコースは、流れも完璧で、終盤への盛り上げ方も素晴らしいものでした。

 

終わりに

限定生産ということで、今ではもう手に入れることができない映像作品となった「15.0」。

実際にリアルタイムで観た方も、私の様にBDで観た人も、この感動を体感したことで世界がパッと開けたことでしょう。

 

筆者は “GO TO THE FUTURE”からの付き合いですが、最近はサカナクションを聴くことが減りつつありました。今回のスタジオセッションを見て改めて彼らの音楽の魅力に触れることができましたし、彼らが歩んだ15周年が素晴らしいものだったと感じることができました。

 

いろいろと書き連ねてきましたが、素直に「サカナクションの音楽って最高」という言葉が一番しっくりくるかもしれません。シンプルイズベスト。

 

SCHOOL OF LOCK!の公式サイトでは、「サカナLOCKS」でスタジオセッションについて語る山口一郎のインタビューが掲載されています。こちらも要チェックです。

「サカナクション15周年記念スタジオセッション『15.0』の見どころを解説!」

 

P.S.

長らく体調不良で音楽活動を休止していたVo.山口一郎も、来週のスクールオブロック「サカナLOCKS」で復帰されるようです。待っていましたよ山口さん!

復帰後の映像は『TikTok』でキレキレダンスを頼みます!

 

サカナクション公式サイト

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