【感動をおすそ分け】中村佑介展を解剖。写真で振り返るイラストレーター20年の軌跡

2023年1月8日に、東京ドームシティのギャラリーアーモで開催された『中村佑介20周年展』に行ってきました。

中村佑介展は2022年11月から開催していましたが、中村佑介展以外にも同じ日に予定が入っていれば濃厚な一日になると思ったため『ハリーポッターと呪いの子』の予約日と合わせて年始の訪問となりました。

『中村佑介20周年展』は1月9日までの開催だったので、本当にギリギリの訪問です。

 

中村佑介さんが担当した作品抜粋

  • ASIAN KUNG-FU GENERATION や さだまさしのジャケットカバー
  • 小説「謎解きはディナーのあとで」「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半シリーズ」などのイラスト
  • 「高校生の音楽」や小説誌「きらら」の書籍カバー
  • ゴジラ展や女子マラソンなどの公的ポスター

etc…

展示場には300展以上の作品やイラストが展示されており、中村佑介さんの20年がギュッと詰まった圧巻のボリュームでした。

 

今回の記事は、『中村佑介20周年展』のギャラリー画像を振り返りながら、中村佑介氏のイラストや思い出を振り返っていく内容となります。

ギャラリーは既に終了していますが、多くの写真や音楽で振り返るため濃厚な記事となっています。足を運べなかった方も、接写多めで振り返っていますので楽しんでいただけたら幸いです。

 

中村佑介20周年展

中村佑介展の展示内容は、一般的なイラストレーターの展示内容には比べ物にならないほどのボリュームだったので、区分分けしながら抜粋して紹介させていただきます。

展示場の構造は、簡単に分けると以下の9フロアで構成されていました。

  • ① 入り口&物販
  • ② アーティスト関連イラストの展示
  • ③ 小説関連の展示
  • ④ 教科書やエッセイの展示
  • ⑤ 書き下ろしイラストの展示
  • ⑥ タイアップイラストの展示
  • ⑦ デザイン学科での過去作品
  • ⑧ オリジナルイラストの展示
  • ⑨ アイテムなどの展示

それぞれ、小見出しに分けて紹介させていただきます。

※ 掲載画像は画質を大きく落としたものになっています。ご了承ください。

ギャラリーアーモ入り口

by 中村佑介展

東京ドームシティのミーツポート駐車場(地下)に車を停めて、エレベータで上がったらすぐの場所にあるのが「ギャラリーアーモ」です。

記念に写真をパシャり。

入り口はチケット売り場となっていて、出口方面には物販ゾーンがありました。

筆者は、既にグッズ付き入場券を購入していたためスムーズに入場しました。

 

by 中村佑介展グッズ

入り口でもらったグッズは、ソルファのマルチケースと4種類のトレカ。裏面には、中村佑介が幼い頃にビックリマンシールで育ったことからトレカを特典にしたという小話が掲載されていました。

 

アーティスト関連イラストの展示(アジカン・さだまさし・セイルズ)

入り口を抜けるとアーティスト関連の書き下ろしイラストがずらっと並んでいます。

アジカンの歴代ジャケット画像はもちろん、さだまさしのCDジャケット画像が超拡大パネル付きで掲載。ラフからトレースまで、製作に使用された原画はほぼすべて掲載されていました。

 

by NANO-MUGENコーナー

 

アジカン主催のライブ「NANO-MUGEN-FES」は横一列でずらっと掲載。NANO-MUGEN-FESは中村さんの色彩豊かなタッチが折り重なっているため派手な印象を受けますが、原紙で見ると繊細で細かいタッチの連続に息をのみます。

さだまさしさんの「御乱心」や、アジカンの「マジックディスク」の拡大ジャケットが展示されていました。マジックディスクの拡大ジャケットは十数メートルに及ぶ巨大パネルになって展示されていたため迫力も満点です。

 

小説関連の展示

次のブースは、中村佑介さんが手掛けた小説シリーズです。

「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」「四畳半タイムマシンブルース」「謎解きはディナーのあとに」などの名作を、絵コンテや作成中秘話を織り交ぜて解説されています。

ポスターができるまでの一連の工程や、”ここで色味が薄いことに気付いた…”といった作成中に感じた秘話なども掲載。ファンにはたまらないブースで多くの人が足を止めていました。

当サイトでも何度も取り上げた「四畳半タイムマシンブルース」のコーナーには、原画以外にも作中で使用されたタイムマシンが展示されていました。常時流れ続けるアジカンの音楽に乗せて、フラッシュバックするアニメの映像が脳裏を走ります。

夕方に行ったのですが、結構な人が入っていて展示を見るのもやっと。筆者は展示物に穴があくほど凝視していたので、変人だと思った人も大いに違いない。

大丈夫、私は変人だから問題ない。

 

 

教科書やエッセイの展示

次のブースは教科書やエッセイなどの展示コーナー。

ここでは、「高校生の音楽」が大きくプッシュされていました。今の若者は中村佑介さんの絵と共に、近代音楽を勉強することができるのか… というより筆者も「高校生の音楽」は手元にあります。実に色使い鮮やかなイラストばかりなんですよね。

正直、めちゃくちゃ好きで長い時間立ち止まってしまいました。

「きららちゃん」ブースも大々的にあって大興奮。「きららちゃん」とは、中村佑介さんのイラストに音楽クリエーターやアーティストが独自の詩をつけて掲載したイラストレーションブックです。

自分は手元に持っていない作品だったのですが、秦基博や西島郷太さんの詩と一緒に展示されていたのでボリューム満点でした。

 

by きらら
by きららちゃん

「きららちゃん」ブースには、歴代の「きらら」がすべて展示されていました。冊数でも数十冊はあるため、圧巻の展示ブースです。すべて見ていたら日が暮れて夜になるほどの展示物。

中村佑介さんの20年間が詰まっているといっても過言ではありません。

正直言わせていただくと、可愛すぎて恋をするレベルです。多くのイラストレーターを観てきましたが、この世界観は特別。色の配置といい無駄のない描写といい、脳がイラストを楽しんでいるのが分かるブースでした。

 

書き下ろしイラストの展示

次のブースは、中村佑介の書き下ろしイラストコーナーです。

雑誌やポスター、今まで逢ってきた人物、イメージと創作など。場面場面でお世話になった人物や物に対してのイラストがずらっと展示されていました。前後左右の壁一面に展示されていたため、物量と情報量で眼福でした。

アジカンの書き下ろしはサイン付きだったので、アジカンファンも唸るコーナーです。

アジカンと中村佑介さんは公私ともに仲の良い関係性ですから、展示会に入ってからここに至るまで様々な繋がりが見れて感無量でした。

そして、このブースで再認識したのは女性のイラストの活き活きとした表情です。イラストに色は3~4色くらいに絞っているのですが、構図がシンプルなので、迫力を出すための色使いに圧倒されます。一面黄色だったり、黒とRGB三原色だけだったり…

有名人のイラストや、お笑い芸人のイラストもこのブースにあったので人間味溢れる表情がたまらないブースでした。

 

 

タイアップイラストの展示

次のブースは、タイアップイラストのコーナーです。

「逆転裁判」や「ビックリマン」「ききらら」「化物語」に「ゴジラ」まで、ビッグタイトルがずらっと並ぶ圧巻のコーナーでもあります。特にヘッドロココのイラストは鳥や背景まで息をのむほどの繊細なタッチで描かれていましたし、色付けも力強くて素晴らしいの一言でした!

私の青春が詰まった「化物語」の羽川イラストは原画ともにじっくりと眺めてしまいました。動物の表情も中村佑介にトレースされています。

ききららのタッチと、中村佑介の女性が同時に描かれているイラストは初めて見たのですが、これは圧巻の出来ですね。細かな配置に隣り合う色味が邪魔しない、カラーコーディネート術が光る一枚だと思います。

あまりにも沢山のコラボイラストがあったので、当サイトでの掲載はここまでに控えさせていただこうと思います。

 

過去作品の展示

次は、中村佑介さんの10年以上前の作品が展示されているブースです。

イメージとは全く違う「黒を主体にした作品群」であったり、風景画までも展示されていたのでファンとして燃える部分がありました。

中村佑介さんのイメージというのは、やはり人物が入り込んだ独特の世界観を思い浮かべますよね。そういう世界観とは違う雰囲気を持っている作品ばかりだったので、これこそ「来て良かった!」と思えるブースだと感じます。

彼は、イラストレーターとして10年くらい経った時期に今のカラフルな分かりやすい色を主体とした作風にチェンジしたと神戸新聞NEXTのインタビューで語っています。

ここで掲載されているほとんどの作品が、大阪芸術大学デザイン学科を卒業して数年の作品とのことで、今では描くことがない世界観というものを感じました。

 

オリジナル作品の展示

次のブースはオリジナル作品です。

そのイラスト単体で完成した世界観を確立しているもので、前半で見られた中村佑介の顔とは少し違った一面を見ることができます。

黒のべた塗りで男女の性が描かれた「太陽」は、巨大な一枚絵のなかに卵子に群がる精子が描かれています。黒のべた塗りも、時間が経って割れたような模様が出来上がっているんです。絵の劣化が作品の一部になっているのは非常に面白かったです。

右の作品は、黒以外のカラー部分に特殊な蛍光塗料が使われています。金色の雲は日本画の風刺を感じますし、デコボコとした塗料の濃淡が映える作品となっています。

イラストを見ていて、色が厚く塗られている質感や線の美しさに見とれてしまいました。

さすがは日本で最も有名なイラストレータの1人。流石の仕事だと感心。

あれっ、筆者語りすぎ? 文字打ちすぎ?

 

 

アイテム(ターナー・浅田飴)などの展示

最後のブースは、アイテムなどに使用されたイラストの展示です。

ターナーアクリルガッシュや浅田飴、中村佑介グッズに使用されたイラストの巨大展示など様々な展示物がありました。特に目を引いたのはターナーアクリルガッシュのタナ子さんシリーズ。

アクリルガッシュと中村佑介のコラボで実現した本製品は、配色それぞれに中村佑介さんの女性キャラクター「タナ子」が存在する作品です。入っている色も独特で、既に普通の配色ではないことから、普通のアクリルガッシュとは異なる色味で作品を塗り上げることができます。

上に掲載したタナ子さんの作品も、色味や濃紺にいたるすべてが見たことの無いものばかり。近くに寄って作品を見ると “これでもか!” としっかり塗られた厚みを感じるほど。

 

by 浅田飴

激熱の浅田飴ブースもありました。

筆者もLOFTに行って全種類買ったんですよね (*‘ω‘ *)b

LOFT限定のうさ耳桃味のイラストも掲載されていましたし、原画も繊細なタッチで食い入るように眺めてしまいました。

ポップな色使いでもお互いが尊重しあう色味、細部まで細かく描かれているため目に飛び込んでくる情報量が多くて嬉しい気持ちになるんですよね。これが、浅田飴の缶のプリントされているというのは本当に感動します。

隣にいた外国の方も「Oh~」と声をもらすほどの美しさです(マジでいましたw)

 

ちなみに、浅田飴や2023年ポスターを購入したことをTwitterでつぶやいたら中村佑介さん本人からコメントが貰えたんです。

kaminote氏、嬉しすぎて発狂するの巻。

ちなみに、中村佑介展でカレンダーを購入すると限定のポストカードが貰えるんですよね。上記の通り筆者はAmazonで購入したので限定品は付属していません。

展示会とは少しそれてしまいますが、2023年カレンダーは以下のAmazonリンクから購入可能です。

 

少し反れてしまいましたので、内容を展示会に戻します。

中村佑介さんのアイテムで販売されているイラストも、このブースで展示されていました。

筆者も使っているiPhoneカバーのイラストがあったので記念にパシャり!牛乳のやつ!

以前、中村佑介さんの公式グッズサイトで大量に大人買いしたんです。iPhoneケースにハンカチ、クリアファイルに原画集まで買いました。

そのすべてがここに集結しているんです…くっそ可愛い…

というか、展示に入ってからここまで「くっそ可愛い…」ばかり声を漏らす私。

一緒に母親も入ったのですが、母親も「くっそ可愛い…天才すぎんか…」と永遠と漏らしていました。

家族総出で楽しめる展示会でした!

購入したグッズについて

出口のグッズ販売所で計3点のグッズを購入しました。

by グッズ限定の袋
by 楽しくて、楽しみすぎた帰宅

帰りの車の中で、中村佑介展限定の紙袋を抱える幸せ。

帰宅後も、一緒に行かなかった家族にドヤ顔する筆者と森山直太朗(テレビ画面)。

 

というわけで、以下が購入したグッズの全貌です。

① JPOPサウンド2015イラストポスター ¥1100

② 四畳半タイムマシンブルースTシャツ ¥3500

③ ASIAN KUNG-FU GENERATION「ダイアローグ」タペストリー ¥2200

by 中村佑介展で購入したグッズ①
by 中村佑介展で購入したグッズ②

 

全体的にデカいグッズばかり買ってしまった!

小さい手鏡だったり、お菓子とか、キーホルダーが売れ筋だったかもしれませんが。筆者はここぞとばかりにデカイものをチョイス。

B2用のポスターカバーが手元にないので、Amazonで注文して早めに飾りたいと思います。

中村佑介展詳細

会期:2022年11月9日~2023年1月9日

会場:ギャラリーアーモ|Gallery AaMo [東京ドームシティ]

主催:株式会社東京ドームシティ

後援:TOKYO MX

企画制作:中村佑介展実行委員会

監修:中村佑介

中村佑介20周年展 公式サイト

中村佑介とは

1978年兵庫県生まれのイラストレーター。大阪芸術大学デザイン学科卒業。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONやさだまさしなど、アーティストのジャケットをはじめ、小説や教科書などの書籍カバー・挿画を手掛けている。

画集『Blue』『NOW』はイラストレーター作品集としては異例の累計13万部を記録し、イラストレーターブック『きららちゃん』では、小説誌「きらら」の表紙を別角度からとらえた作品となっている。

また、アニメーションのキャラクターデザイン(夜は短し歩けよ乙女、四畳半神話大系、四畳半タイムマシンブルース等)やラジオ番組、エッセイ執筆など、活躍は多岐に渡る。

中村佑介オフィシャルグッズ公式サイト

 

おわり

ということで、今回は「中村佑介20周年展」に滑り込みで行ってきた筆者のレポートでした。

これからも一生、中村佑介さんのイラストを追い続けることは間違いありませんし、また個展や展示会が開かれるのであれば足を運びたいと思う内容でした。

展示会には300点以上の展示物があったとのことで、すべてを脳裏に焼き付けることはできませんでしたが、手元に残しているアイテムだったりアジカンの作品であったり、ひとつひとつに思い入れがあるので記憶に残り続けるものでした。

 

中村佑介さんの2023年のポスターを購入したときの内容は、別の記事で掲載していますので見ていただければ幸いです。

【素敵なイラストが12枚】中村佑介2023年カレンダー到着!卓上と壁掛けの魅力を画像付きで紹介!

 

それでは、今回の記事は以上となります。

長い記事となってしまいましたが、最後まで見ていただきありがとうございます。

 

リンク

中村佑介20周年展

中村佑介公式サイト

中村佑介オフィシャルグッズサイト

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