当記事はamazarashiの紹介ページです。
amazarashiとは
ジャンル
ロック
結成
2007年
デビュー
インディーズ:2009年「光、再考」
メジャー:2010年「爆弾の作り方」
特徴
「日常に降りかかる悲しみや苦しみを雨に例え、僕らは雨曝しだが”それでも”というところを歌いたい」…という想いからバンド名が命名された。
秋田ひろむの情熱的な歌声から紡がれる音楽は、雑多で拘束の多い現代社会を生きる人に届く光である。切なくも報われるような楽曲が多いが、対照的に「社会に対する怒り」や「無常」を詰め込んだ歌詞が魅力。
ライブでは薄い垂れ幕に映像を投影する演出を行っており、その他にもプロジェクションマッピングを取り入れた幻想的な世界観で魅了する。
『人生のどん底に居るときに必要となって、そこから這い上がれたら顔を隠す』そういう一時的に背中を押すような存在になれたら…と秋田ひろむが語るように、本当にヤバいときに寄り添うバンドのひとつ。
メンバー
Vo. 秋田ひろむ (あきたひろむ)

誕生
1980年3月25日
出身地
青森県上北郡横浜町
楽器
エレキギター、アコースティックギター、ハーモニカ
人物
特徴的なミックスボイス(地声と裏声の中間)と、字余りの中に美しさのある楽曲が特徴。
顔は公表されておらず、大きな黒い帽子を被っているのが印象的。ライブでも照明で顔を照らさないように構成されている。帽子を被らない場合はパーカーのフード等で顔を覆っており、インターネット上に顔写真が一切流出していない徹底ぶりである。
熱情的な歌い方や、年齢を感じさせない声質であまり知られていないが、既に年齢は42歳を超えている。それでもまだ若々しい印象を受けるのは、彼の一貫した音楽に対する姿勢からだろう。
小学6年の頃に姉が聴いていたTM NETWORKにハマってキーボードを購入。その後、ブルーハーツやビジュアル系バンドに影響を受けてギターを始めた。
2007年に「STAR ISSUE」を結成して東京を拠点としていたが、心身ともに疲弊して地元の青森に帰ったとのこと。その後、バンド名を「あまざらし」、「amazarashi」と改名しながら精力的に活動を行っている。お酒とゲームが大好き。
楽曲提供も行っており、中島美嘉へ「僕が死のうと思ったのは」、菅田将暉へ「ロングホープ・フィリア」を提供している。
キーボード&コーラスの豊川真奈美さんと結婚している。
KB. 豊川真奈美 (とよかわまなみ)
楽器
キーボード、コーラス
人物
amazarashiの正式メンバー。
秋田ひろむ氏曰く、彼女がいるだけで「楽曲がカラフル」になる。現に彼女の歌声がピンポイント採用されている楽曲は、的確に光るアクセントになっている。
参加メンバー
■ Wiki参照
amazarashiの楽曲
本バンドの音楽を、数曲ピックアップしながら
ミュージックビデオを踏まえて解説していきます。
デビューから駆け抜ける音楽の道
「光、再考」
2009年、amazarashiの前身となる「あまざらし」名義で公表したインディーズデビュー曲。500枚限定で販売された1stミニアルバム「光、再考」に収録されている。
ミニアルバム「光、再考」に収録された楽曲は全て、以降にリリースされるアルバムに編曲されて収録されています。ミュージックビデオのVerは編曲後の楽曲となり、ミニアルバム「0.」に収録されたもの。「0.」「0.6」からプロモーションビデオ等で登場する人形は「amazarashiくん」という名前が付いており、バンド内でマスコット的存在となっています。
秋田ひろむの伸びのある情熱的な歌声と、音楽隊の切ないメロディ構成は、既に彼らの基盤を完成させています。本楽曲発表後、青森を中心にじわじわと認知度を高めていくことになります。
ミニアルバム「0.」「0.6」の収録曲も同様に、後に再レコーディングされて他のCDに収録されることとなります。
「夏を待っていました」
2010年にメジャーデビューを果たしたアルバム「爆弾のつくりかた」。
本アルバムには「爆弾の作り方」「夏を待っていました」「無題」「隅田川」などの多くの名曲が収録されており、発売後すぐに音楽雑誌やラジオで取り上げられることになりました。「爆弾の作り方」はオンラインFPSゲーム”STING”のイメージソングに起用されています。
そして、非常に大きな反響を呼ぶことになった楽曲「夏を待っていました」。切ないギターリフとアルペジオが印象的。歌詞は、夏休みを一緒に過ごしたクラスメイトが、忘れられない悲しい記憶としてこびり付いてしまう主人公の無常さとリアルを描いています。
また、ミュージックビデオは第14回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門で優秀賞、3DCG Awards 2010 一般アニメーション部門では最優秀賞を受賞しています。
アルバム「爆弾のつくりかた」は、日本で初めてCDジャケットにAR(拡張現実)が採用されたCDとして音楽業界にも大きな影響を与えています。
「アノミー」「この街で生きている」
この頃のamazarashiのリリースペースは異例のスピードでした。
爆弾の作り方から5か月後には、「奇跡」「ポルノ映画の看板の下で」などの名曲を収録したミニアルバム「ワンルーム叙事詩」を発売。そこから、4か月後には「さくら」「ピアノ泥棒」「この街で生きている」などを収録したミニアルバム「アノミー」を発売。これは、1ヵ月に2曲の楽曲を制作する異例のスピードです。
楽曲のタイアップが増えたのもこの時期からです。アノミーは川島海荷の初主演ドラマ「ヘブンズ・フラワー」の主題歌に起用されました。楽曲は「アダムとイヴ、私の犯罪学」をモチーフにされており、秋田ひろむ特有の作詞法である “物語 や土地 から着想を得る” 作曲術の魅力が光る一曲です。
「空っぽの空に潰される」「スターライト」「ジュブナイル」
1stフルアルバム「千年幸福論」を2011年に発表。
1stアルバムを発表するまでに既に40曲ほどの楽曲を制作しリリースしているamazarashi。彼らの1stアルバムはデイリー7位、オリコン12位という高い評価を受けました。
以降のアルバムにも言えることですが、特典としてライブDVD以外にも、詩集や秋田ひろむ書き下ろし小説が付録として付くことがあります。秋田ひろむを語る上で歌詞や詩は重要な要素です。荒んだ内面を描くそのタッチとは裏腹に、未来へと踏み出してほしいという願いが込められていて、読み手の内面に訴える表現力と言葉の使い方は目を見張るものがあります。
その後も短いスパンで新曲をリリースし続けることになり、「ねえママあなたの言うとおり」「あんたへ」「夕日信仰ヒガシズム」などのアルバムをリリース。スピード感を保ったまま真新しい新曲を生み出す様は、他のバンドを寄せ付けない存在感を放っていました。
多くの名曲をリリースし、アルバム収録曲もすべてが名曲でした。
「夕日信仰ヒガシズム」に収録されている楽曲「ひろ」は、一緒に上京するはずだった親友について歌った曲。上京目前で命が絶たれてしまった「ひろ」に向けて歌った曲です。他を寄せ付けない世界観とはこのことであり、秋田ひろむが率直に親友への想いを綴った歌詞は聴く人の心に焼き付いて離れません。
千分の一夜物語スターライト
2014年9月に東京ドームシティホールで開催された「あまざらし千分の一夜物語スターライト」。今までリリースされた楽曲をプラグレスバージョンにリアレンジしたもの。
秋田ひろむが続けている小説活動、そのひとつ「スターライト」の朗読が随所に挟まれる特殊なライブ構成となった。ライブに費やした労力と熱意から、2015年には再集録した音源でリアレンジVerのみのアルバムがリリースされている。
多くのタイアップを産む最前線へ
「季節は次々死んでいく」
知名度を一気に上げることとなった楽曲「季節は次々死んでいく」。
本楽曲は、2015年1月より放送の『東京喰種-トーキョーグール√A』エンディングに起用されました。既に様々な番組のエンディングテーマやパワープッシュに取り上げられていたamazarashiですが、本楽曲が今日の彼らの人気を加速させた要因となるでしょう。
人を喰らう喰種(グール)という存在ですが、”それは見方を変えれば人間も同じだ” という核心があります。そのリアルさはミュージックビデオでも表現されており、大きな反響を呼ぶこととなりました。
その後も、アニメ「乱歩奇譚」のOPに「スピードと摩擦」が起用されるなど、アニメ関連のタイアップが増えていきます。本楽曲を収録した、アルバム「世界収束二一一六」はオリコン4位という記録を叩き出し、大きく表舞台へと足を踏み入れるきっかけとなりました。
2021年5月には、一発撮り動画THE FIRST TAKEに同楽曲で参加。
秋田ひろむがギター1本で届ける本曲は、ライブ同様熱い熱量を持ったすばらしい演奏でした。
380万回再生、11万の高評価を得ており、国内外から多くのコメントが寄せられている。
「僕が死のうと思ったのは」
ミュージックビデオはないものの、amazarashiの歴史に強烈な爪痕を残した楽曲。自傷的な楽曲でありながら、心に空いた穴を抽象的視点と、広範囲の視点で描く傑作。
中島美嘉への楽曲提供の後、自身でセルフカヴァーを行った一曲。
『死ぬことばかり考えてしまうのは、きっと生きる事に真面目すぎるから』という歌詞は、まさに真理であり、『僕が死のうと思ったのは』という言葉は否定的な想いではなく、気持ちばかりが前のめりになって身体がついてこない様を表した一文だったのだ。その言い回しは過去形であり、未来を見据えた表現にシフトしていく後半に涙が止まらない。Eテレの地上波特番では、彼の弾き語りが凄すぎて舞台袖のキャストが涙を流していたと番組スタッフが公式に載せています。
“「死にたい」という感情は、心と身体のどちらかが上手くついてこない時に感じます。そう思うことは間違いじゃなくて、でも正しい答えでもないから、一瞬でもそう想ったら、すみません、僕に時間をください。” という秋田ひろむの言葉からも、彼の真摯に音楽に取り組む姿勢がうかがえます。
また、中島美嘉がTHE FIRST TAKEの一発撮りに本楽曲を選んでおり、彼女自身『大きな節目となった楽曲だからこそ歌いたかった』とコメントしている。
中島美嘉の中でも大きなヒットを上げた一曲であり、彼女が魅せる世界観も相まって更に昇華した楽曲だと言えるだろう。
「空に歌えば」「命にふさわしい」
コンセプトに対して的確にアンサーを出す彼らの音楽は、以降も多くのタイアップを産むことになります。
「空に歌えば」が『僕のヒーローアカデミア』のオープニングに起用。
「命にふさわしい」がPS4ソフト『ニーアオートマタ』とコラボ。
「フィロソフィー」がダイドーブレンドコーヒーのCMに起用。
アニメやゲームファンのみならず、連日放送されるCMソングに起用されたことで、上記3楽曲を含んだアルバム『地方都市のメメント・モリ』は驚異のロングヒットとなりました。疾走感のある楽曲も多く収録されており、雨曝しとして生きる人にこそ届けたい快晴の空をイメージしたコンセプトは、新たなファンを生むことに成功しています。
また同年にリリースされたベストアルバムはオリコン3位を記録し、初期にリリースされた楽曲「つじつま合わせに生まれた僕等」を新録するなど、ただのベストに収まらない完成度を魅せました。
「月曜日」「さよならごっこ」「未来になれなかったあの夜に」
4thアルバム「地方都市のメメント・モリ」から2年3カ月ぶりのフルアルバム「ボイコット」はオリコン2位という、バンド史上最大のヒットとなりました。
漫画アニメーション『月曜日の友達』主題歌「月曜日」。アニメ『どろろ』エンディングテーマ「さよならごっこ」等のタイアップを含んだ楽曲は、今までのバンドイメージを覆すような独特のアレンジを加えたものばかりでした。
リード楽曲の「とどめを刺して」は、情報とストレスにまみれた現代社会からの逃避と、本当は向き合わなければならない現実について歌っています。世論や情勢からくる圧迫からボイコットする現代人に対して、本当は分かっている心の本音を代弁してくれています。まさに、現代を生きる人々の代弁者としてamazarashiのコンセプトが重なる楽曲です。
また、ライブツアー “未来になれなかった全ての夜に” で初披露された楽曲「未来になれなかったあの夜に」はMVに横浜流星、杉野遥亮、泉澤祐希、柄本時生、中村ゆりか、福山翔大、冨田佳輔、華村あすか、濱津隆之、コバソロといった俳優や著名人が出演しました。ミュージックビデオにこれほどの著名人を集めたバンドは少なく、一本のドラマが制作できるほどの熱量で撮影されたとのことです。
また、本アルバムには初期の頃からライブで演奏されていた「夕立旅立ち」が収録されており、歓喜に吠えたファンも多いです。
コロナ過が生んだ、秋田ひろむの傑作
「令和二年」
コロナウイルスにより、全国ツアーの延期や収録環境の制限があった令和二年。新曲5曲を収録したE.P.「令和二年、雨天決行」をデジタルリリースしました。本E.P.では、コロナ過で秋田ひろむやメンバーが感じた想いが込められています。
リード楽曲「令和二年」は、キーボードのリードとアコギ・エレキが織りなす鎮魂歌となっており、コロナ過で悲しみを負った世界に対しての彼らなりのアンサーソングのひとつとなっています。
ミュージックビデオは、12月22日に配信されたライブ会場の真駒内滝野霊園で撮影されており、安藤忠雄設計の「頭大仏」にプロジェクションマッピングを投影した映像となっている。あらゆる災害の映像を投影しており、その無常を彼らなりの方法で伝えている。また、ステージを灯す灯篭には、「令和二年にやるせなかったこと」をテーマにTwitterで募集された1300以上のメッセ―ジから250が選ばれてて献灯された。

真駒内滝野霊園は札幌にある霊園で、頭の頂点のみが見える「頭大仏」を囲むようにラベンダーが段々になっています。設計者の安藤忠雄は一級建築家であり、代表的な技法はコンクリートの打ちっぱなし設計です。幾何学的な構造を作りながらも、光や影という自然を”自然”に取り入れた設計が得意です。
amazarashiとしても、この霊園でライブができたことは非常に大きなものだったでしょう。
近年の楽曲
2022年4月13日に、ニューアルバム「七号線ロストボーイズ」をリリースしました。
秋田ひろむの出生でもある、青森について歌った楽曲が多く収録されており、『七号線が走る地元に生きるすべてを失った自分自身』について振り返っている作品になります。
以下の記事では「七号線ロストボーイズ」の全曲レビューを行っていますので、同時に確認していただけると幸いです。
■ amazarashi 6thフルアルバム「七号線ロストボーイズ」全曲レビュー
■ amazarasih『アンチノミー』リリース。収録曲や特典を徹底解剖。
amazarashiとの出会い
amazarashiとの出会いは、自分がニコニコ動画で動画を投稿していた時期。
アルバムでいうところの「夕日信仰ヒガシズム」くらいでしょうか。
ニコニコ動画で見つけた、amazarashiの特集動画が出会いです。
「雨男」や「ひろ」などの名曲をそこで初めて聴いて、一気にファンになりました。
自分も作業用BGMを投稿したこととがあるのですが、ものの1日で動画は削除され、24時間アカウント停止をもらいました。私が動画投稿サイトで初めてアカウント停止をくらうきっかけにもなったバンドです(笑)
そこからは、あまり公言しないままコンスタントに聴いていました。
彼らがテレビやネットで大きく取り上げられるようになってから、Twitterなどで彼らの話を出すようになっていきました。
密かに自分の中に或ればいい…というバンドというか。
amazarashiというバンドは、陰ながら自分を支えてくれるバンドなんです。
だからこそ、これからも静かに応援していくでしょうし。
一生、自分の中にあり続けるバンドでしょう。
筆者がオススメする楽曲
テーマは「あんたへ…届けたい」。
ということで、筆者が以前作業用に制作したプレイリストになります。
筆者が好きな「逃避行」「雨男」「吐きそうだ」「パーフェクトライフ」「隅田川」等を収録して、全体的に静かに2時間ぶっ通して聴くスタイルです。中盤に疾走感のある楽曲を入れていますが、基本的にはamazarashiがamazarashiたる所以とも言える、情景や聴く人の心に寄り添う楽曲を入れています。
AppleMusicを導入している方は、是非聴いていただきたいプレイリストです。
導入していなくともサンプルを聴くことができますので、是非1曲ずつamazarashiの世界に触れてみてください。
■ AppleMusic:僕が誇る『amazarashi』プレイリスト
■ AppleMusic:amazarashi
以上で、amazarashiの紹介は以上となります。
本ページは随時更新していきます。
また当サイトでは、彼らの音楽に対するページや、その他バンドの関連記事を上げていきます。
直近では「応援するバンド」の紹介ページを作成していきますので宜しくお願いします。