ART-SCHOOL新譜「Just Kids」楽曲レビュー!

2022年7月13日 , ART-SCHOOLの3年半ぶりの新譜「Just Kids e.p.」がリリースされました。

今回の記事は、「Just Kids e.p.」の解説も踏まえてお届けしたいと思います。

 

まえおき

2019年春、Vo&Gの木下理樹の体調不良により、ライブや楽曲収録等のすべての予定をキャンセルして活動休止していたART-SCHOOL。

5月13日、その沈黙は新譜情報で破られることとなります。

木下が療養中に体験したこと、そこから回復して経験したこと、浮かんできたイメージを元に歌詞を作成した本作。

「普段生活していて、どんなに酷いことがあっても…ART-SCHOOLはただ貴方達リスナーの側に寄り添うようにいるよっていう、そういう想いみたいな世界観を伝えたかった」と木下理樹は語っています。

筆者も、待ちわびていた新譜のリリースに胸躍らせていました。

そして、新譜を手に取って素晴らしい躍動を感じました。

その想いを伝えられればと思います。

 

ART-SCHOOLがどのようなバンドか深堀した記事はこちらから!

内部リンク:ART-SCHOOLを余すことなく紹介するページ

 

収録曲レビュー

1. Just Kids

ミュージックビデオ

歌詞

憂鬱だった月曜 散々だった火曜

勇敢だった水曜 こんがらがった木曜

君と出会った金曜 愛し合った土曜

そして別れた日曜 僕等は繰り返す様

just kids just kids just kids just kids

just kids just kids just kids 子供みたいに

子供みたいに…

憂鬱だった朝 君を想った夜

誰もいない朝 誰もいない夜

君の名前を呼んだ 声が枯れるまで

そして何度も 僕等は血を流す様

just kids just kids just kids just kids

just kids just kids just kids 子供みたいに

子供みたいに…

曖昧だった月曜 灰色だった火曜

英雄だった水曜 忘れていった木曜

君と出会った金曜 愛し合った土曜

そして別れた日曜 赤い血を流す様

just kids just kids just kids just kids

just kids just kids just kids 子供みたいに

子供みたいに 子供みたいに 子供みたいに…

解説

3年ぶりの新譜は、美しくも軽やかなギターが印象的なART-SCHOOLらしさ全開の楽曲でした。

フェードインしてくる優しいギター音、スピード感のあるアンサンブル。今までにもありそうでなかった素直なバンドミュージックが光ります。

音作りは非常にシンプル、そのシンプルさが彼らの復活を告げていました。

そのシンプルさは歌詞にも表れています。タイトル「ただの子供達」から連想させる通り、子供のように純粋無垢な想いで恋愛をする男女が描かれています。2人の恋愛を1週間で表現するのは王道でありながら、木下特有の言い回しがプラスされることでアクセントも利いています。

それよりなにより、木下の声質が非常に良いというところにグッときました。アルバム全体に言えることですが、体調不良からの復活を感じる伸びのある声がまた聴けたこと。これは本当に嬉しい。

2022年7月13日 22時から配信されたMVは、男女の恋愛とその終わりを眺めるメンバーの姿が映されています。男女の恋仲を表現するのはARTのMVにはよくあるものですが、今回は活動再開の楽曲ということもあり、メンバーの姿が見れて非常に嬉しい映像となりました。

MVの中には、現在の4人体制となったアルバム「BABY ACID BABY」のジャケ写のように、たばこを持って項垂れる女性の姿がありました。この仕草がまた再現されたことで、4人の復活というメッセージが込められているのだと思います。

最後にメンバー4人が一列に並んでいる光景は、本当に素晴らしいものがありました。

2. レディバード

歌詞

スケートシューズを履いて

崩れる前に滑り出そう

痛々しい程 レディバード

生きてみたいと君が笑う

水にゆらめく反射光

細い足首が透ける様

愛し合う為に僕等は…

Our daydream they crash and burn

All pieces are fall in down

Our daydream they crash and burn

All pieces are fall in down

fall in down…

虚ろな目をした君と

いっそ裸足で歩き出そう

力尽きるまで レディバード

いってみたいと 君が笑う

生々しい傷跡が

指の裂け目から沁みる様

愛し合う度に僕等は…

Our daydream they crash and burn

All pieces are fall in down

Our daydream they crash and burn

All pieces are fall in down

fall in down…

解説

2曲目は得意とするロックバラード。

レディバードは「聖母の鳥」という意味があります。 “確かな生命力” を感じる1曲です。

サビでは “空想が墜落して燃える” , “すべてのピースが落ちてゆく” という木下節全開の英語詩で展開します。

「Hello darkness, my dear friend」のときに近い雰囲気を感じましたが、音が洗礼されていますし、メロディと語呂が非常に綺麗。2番からのカッティングも戸高ギターの躍動を感じる演出でGoodです。

抽象的で晴れない雰囲気。しかし、それこそファンが彼らに求めていた音楽だと感じます。

どこかで聴いたことのあるART-SCHOOLの楽曲という印象ですが、そういう雰囲気が2022年に戻ってきたのは嬉しい悲鳴というものです。

3. ミスターロンリー

歌詞

この夜はきっと きっといつか明けるだろう

この傷はきっと きっといつか癒えるだろう

貴方に触れた あの夜を覚えている

冷たく乾いた 指先を覚えている

透明な唄 唄ってくれ ミスターロンリー

天使の様な あの声で ミスターロンリー

I’m missing her

笑ってくれ ミスターロンリー

恥ずかしそうな あの笑顔で ミスターロンリー

3才になった子供達が描くレモン

その記憶さえも 俺はいつか失くすだろう

貴方が泣いた あの夜を覚えている

小さな声で 何か云おうとして

透明な唄 唄ってくれ ミスターロンリー

燃え尽きそうな あの声で ミスターロンリー

I’m dreaming her

救ってくれ ミスターロンリー

恥ずかしそうな

あの笑顔で ミスターロンリー

張り裂けそうな

氷の様に

透明な唄

唄ってくれ ミスターロンリー

天使の様な あの声で ミスターロンリー

I’m missing her

笑ってくれ ミスターロンリー

恥ずかしそうな あの笑顔で ミスターロンリー

解説

音が重なるように歪ませたエフェクターのアルペジオで始まり、そこからスローテンポで進行するヴォーカル&演奏陣。古くからのバンドミュージックと新しさが融合した印象を受けました。

この楽曲も特質してガツンとくるインパクトは薄いものの、戸高・中尾の揺らぐような旋律や、藤田の力強いドラムがアクセントとして光ります。

歌詞は、木下が療養中に感じた暗い内面を込めながらも、どこか希望に満ちているのが印象的。

歌詞に出てくる “3才になった子供達が描くレモン” というフレーズが難解ですが、そういえば20年前の2002年には「レモン」という楽曲をリリースしていましたね。「レモン」の歌詞では、彼氏/彼女の関係が描かれていて、その彼女が死んだというフレーズが何度も出てきます。本楽曲はもしかしたら、その続きとなる世界観があるかもしれません。

あくまで憶測ですが… (; ・`д・´)

今回の収録曲は、活動休止前よりも優しいけれど、男女関係のドスは効いていて実にART-SCHOOLらしい。

4. 柔らかい君の音

歌詞

柔らかい 日々の音が

新しい 日々の音が

聞こえてくるよ すぐに

叶わない 夢の後に

愛されたい それだけ

許されたい それだけ

話の続きをしよう

叶えたい 夢の話

海を観に行こう

揺らめきながら 僕等は

お茶をしに行こう

満たされない想いのまま

歩き続けよう

よろめきながら 素足で

たまに抱き合おう

彷徨い続ける 僕等は

いつだって 今だって そうさきっと 光の方へ…

柔らかい 君の音が

懐かしい 日々の音が

聞こえてくるよ すぐに

癒せない傷の跡に

要らなくなる時まで

側にいたい ただそれだけ

下らない話をしよう

夢から覚めた後も

海を観に行こう

溶け合いながら 僕等は

お茶をしに行こう

満たされない想いのまま

旅を続けよう

アスファルトの上 素足で

たまにキスしよう

傷跡だらけの僕等は

いつだって 今だって そうさきっと 光の方へ…

ただ歩くんだ

また歩くんだ

ただ歩くんだ…

解説

EP最後の楽曲も優しいメロが印象的な、聴き手に寄り添うような楽曲でした。

メロの伴奏部分が、syrup16gの(This is not just)Song for me に近いものがあって耳を疑いましたが、全体の構成は彼らの「スカートの色は青」のような優しさを感じます。EP最後の曲に素敵な楽曲を持ってくるART-SCHOOLに脱帽です。

サビの「お茶をしにいこう」という歌詞が新鮮でした、それがまた「満たされない想いのまま」行こうという提案なのが実に木下らしい。晴れ渡らない感じが実にGood。

それでも、確かに歩みを進めていく希望に満ちたエンドに持っていくのは、今回のアルバムについて語った木下自身の「ART-SCHOOLはただ貴方達リスナーの側に寄り添うようにいるよ」という言葉からも感じられます。

サビにはコーラスも入っていて、ふわっと幸せな雰囲気が出ていますし。

サビ終わりの「光のほうへー」と伸ばし切る歌い方も今まで無いメロディだったので印象的。

多くは語らないけど、抽象的に美しい背景を描く構成―

気持ちが前向きになる実に味わい深い4曲でした。

 

 

 

AppleMusic

 

初回購入特典

初回購入特典として、「Just Kids Tシャツ」とポーチが付いてきました。

①特典のTシャツ(Mサイズ)
②全てを収納されて届いたポーチ

なかなかART-SCHOOLのライブって無いのですが、行ける時があれば着て行きたい。

彼らのリリースで、特典としてTシャツが付いてくるのは本当に珍しいです。

これは記念に持っておきたい一枚なので、また大切に保管しようかな…

 

終わりに

木下も療養から復活した、3年ぶりのリリース。復活したART-SCHOOL。

YouTubeのMVには公開数時間ですが多くのお祝いのコメントが寄せられています。

筆者もkaminote名義でコメントをしたところ、ART-SCHOOL公式から「いいね」を頂きました。

嬉しい (*’▽’)b

 

リリース同日の13日に行われた、木下&戸高のアコースティックライブに行けた人羨ましい!

Twitterでは2人の喜びの声に沢山のいいねが来ています。

 

これからも、地道でも少しずつでもいいから活動を続けて欲しいですね。

木下やメンバー全員身体には気を付けて!

 

今回の「Just Kids ep」のリリースで、更にART-SCHOOLの評価が爆上がりした筆者でした。

記事をご覧になったあなたも、宜しければ彼らの音楽に触れてみてください!

以上、kaminoteでした。

 

リンク

ART-SCHOOL公式

■ 「Just Kids .ep」特設サイト

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