【音作りに誠実な5年ぶりのアルバム】syrup16g「Les misé blue」の全曲解説レビュー

2022年11月23日リリースの、syrup16g 通算11枚目のフルアルバム「Les misé blue」。

5年ぶりとなるフルアルバムは、2021年11月に行われた本編すべて新曲のライブ「20210 extendead」で披露された楽曲を収録。コロナ過の逆境ももろともせず披露された新譜をアレンジして、更に未発表曲2曲を収録した14曲入りのアルバムとなっています。

今回は、「Les misé blue」の概要に触れながら、14曲すべてのレビューを行う記事です。

 

↓↓↓ syrup16gについて詳しく解説している記事は以下より。↓↓↓

syrup16gの魅力を余すことなく紹介するページ

 

「Les misé blue」概要

syrup16gの11枚目となる作品。すべてが新曲のライブ「20210 extendead」の開催から1年越しの発売となった今作は、大幅にブラッシュアップされた楽曲の他に、新曲2曲を収録した全14曲です。

2017年にリリースされた前作「delaidback」から5年の歳月が経ち、今この時代に五十嵐が届けたい想いとは。そのアンサーが詰まった楽曲は、明暗のある2つの表情を上手く表現しています。

アルバムタイトルは『レミゼブルー』となり、直訳すると「青い賭け」という意味です。しかし、本当の意味はヴィクトル・ユゴーの小説『レ・ミゼラブル』にあると思われます。『レ・ミゼラブル』は貧困や底辺の人々を指す言葉であることから、辛い毎日を過ごす人たちへ届けるsyrup16gなりのアンサーであることは間違いありません。

メンバー同士、意見のぶつかり合いはなかったようですが、Vo.五十嵐が暴走したことでさまざまな調整が必要になったレコーティングだったようです。それは正に、音楽にかける想いが熱いからこそでしょう。

5年ぶりにsyrup16gが出したアンサーソングの数々、大切にレビューさせていただきます。

 

UKPラジオ~大解剖~

UK.Project代表の遠藤幸一、POLYSICSのBa.フミが進行を務めるUKPラジオ。

伝説の人見知り集団 syrup16g が、ニューアルバムについて語ります。

通常の思考回路では成立しない、五十嵐ワールドは必聴です。

 

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収録曲レビュー

全14曲を1曲ずつレビューさせていただきます。ほぼ感想かもしれません。

YouTubeでは全曲Official Audioとして投稿されているため、動画を引用させていただきます。

M1 : I Will Come (before new dawn)

"機関車が闇を裂く 呼吸より速足で 燃やし尽くして 走れ"

地を這うようなスローテンポに、変わり映えのないリフ…。アルバム「Dark」のときに見せたsyrup16g特有の暗さが詰まった1曲目です。タイトルからも分かるように “夜明け前” を歌った楽曲であり、新しいアルバムを聴かせる前に過去の自分たちの姿を投影している楽曲だと感じました。

メロディを一本調にすることで、変わらない自分と焦燥感を表現しています。しかし、歌詞は五十嵐らしさ全開で面白いです。五十嵐の言葉選びがアクセントになっているので、歌詞も注目して聴いてほしい曲です。

"変わっていった人を眺め Filler 変われないじぶんを知った Feel Love"

他のバンドがこのように表現が一本調になりやすい楽曲を歌うと、本当につまらない演奏になることが多いです。しかし、syrup16gが歌うと焦燥感と悲壮感だけじゃなく希望まで感じることができます。

終盤に魅せる音階が上がる盛り上がりは、シンプルなテイストですごく好き。

そして、なにより本アルバムは音質がとてもクリアで良い。過去のアルバムのなかでもクリアで明瞭な音を届けたいという想いを感じます。

 

M2 : 明かりを灯せ

"縁をひと掴み 駅に届く影 あの日時計に..."

Aメロのアルペジオで平穏に始まる楽曲。

“明かりを灯せ” のフレーズではラウドすることで印象的な雰囲気を作り出しています。歌詞のない部分も、”おぉ~お~”という優しいフレーズで緩急が取れた1曲です。

初めて聴いた時、新しいsyrup16gが始まったような雰囲気を感じました。

歌詞の雰囲気がどこか詩的であることから、うねりのあるグルーブが良い味を出しているという評価ができます。大衆的な楽曲ではなかなか使われない、半音で上げ下げするメロディも映えますね。

メロの「巡り巡る旅」という歌詞で、「めぐーりめ、ぐるー旅」という切り方をしているのも五十嵐らしい音楽センスです。歌詞だけを見て楽しい!という目線と、メロディだけを聴いて楽しい!という目線が融合しています。

スローテンポで後半まで大きな見せ場がない楽曲ですが、これがsyrup16gの味だなぁと噛みしめることができる曲かな。

 

M3 : Everything With You

"あとの祭りで ヤバって叫ぶ Everything With you 愛を失くして 行き着いた 首つり台の下"

本アルバムのリード楽曲的な存在、それが「Everything With You」です。

優しいメロディのなかに、どこか「吐く血」を連想させる恐怖感を孕んでいます。

想像以上のひどい事態に襲われても、”ヤバ”という語彙力0の言葉しかでてこない人間性を感じる歌詞。優しいメロディで “行き着いた 首つり台の下” とか歌っちゃう五十嵐。すべてが待ち望んでいたsyrup16gの1曲という感じ。

葛藤している姿を見せないように必死こいて頑張るけれど、暗い言葉がポンポン出てきてしまう今どきの若者にも通ずる歌詞。そして、五十嵐自身がこういう状態だったんじゃないかなと連想できる歌詞でもある。

"I don't know what to say , I don't know but saying"

最後の大サビで、”あとの祭りで”のメロディに”I don’t know what to say”を被せているのもオシャレ。きっと五十嵐は、このオシャレな言い換えを褒めてほしいに違いない。なんだかんだで良い方向に振り切れたんだと思う。

"不労所得は夢 三年寝太郎も 目が醒めるかな"

俺も不労所得は夢だ、五十嵐よ。

自分のことを綴った歌詞かもしれないが、妙にリアルで多くの人に刺さること間違いなしです。

 

M4 : Don’t Think Twice (It’s not over)

楽曲の入りは「Anything for today」に通ずるかもしれない。でも、歌詞は破天荒。

"家族の写真が 思えばほとんどなかった 未来永劫 天涯孤独な 予定はない"

結婚を視野に入れてるという主人公が、“よく考えるな!まだ終わってない!”と叫びながら孤独死について歌う。こんな楽曲が今までありましたか!?

メロを聴いた時、もしかしたら自然体で清々しい楽曲なのではないかと予想した。しかし、歌詞を見たら結婚という概念に狂わされるひとりの男がいた。鋭いフックとアッパーの2連撃をくらった気持ちです。

マキリンのベースもアクセントを刻む瞬間があって、音の運びはしっかりと練られています。でも、歌詞は結婚概念を歌う五十嵐の発狂という(笑)

“結婚なんて2度と考えるな!俺は孤独死すんねん!”という熱い決意を感じる。でも、歌詞をしっかり考察すると、逆に結婚したいんじゃないかとも思える。これは間違いなく五十嵐が混乱している。

皆さん、この楽曲を出している五十嵐は今年で49歳です。もう50歳で独身です。怖いだろそんな男が独身概念を歌ったら!

"Don't think twice, It's not over 独身で It's not over 孤独死で It's not over"

なんやねんそれ!

楽曲を聴くリスナーも困惑している。それこそ彼らの狙いなのかもしれない。

 

M5 : Alone In Lonely

"使い慣れたマシンガン 壊れるのもあと少し 変わらない日常が 終わってくのを そっと見てる"

「孤独に一人で…」というタイトルで使われるイメージとしては女性が多いようです。歌詞では「私」という表現が使われているため、登場人物は独りになった女性なのでしょうか。

男女の関係というより、自分と同じ存在がもう一人いてドッペルゲンガーと対話しているような構図です。もしかしたら、五十嵐が過去の自分について歌っている可能性もあります。

雰囲気は、しっとりとしたボサノバ調です。これも珍しいかもしれません。

最近のsyrup16gにはなかったテイストで、アルバムの1曲として有りですね。存在感は薄いけど、アルバムのコンセプトである「無常」を歌うなかで、点と点をつなぐ線としての役割が強い楽曲だと思います。

 

 

M6 : 診断書

"診断書 待ってる 死んだっしょ 埋まってる"

とうとう来てしまったsyrup16g節全開の「診断書」。音ハメするように「死んだっしょ」と他人事のようにあしらう歌詞がバキバキシロップです。

とにかく五十嵐のユーモアが全面に現れている楽曲。余命あと数週間とか言われたときの絶望が、五十嵐自身の経験とリンクしています。果てしない絶望を感じたときに込み上がる感情を、実体験したかのように綴られた歌詞に注目です。

"配信なんていらない 再放送のドラマが 心を落ち着かせてくれるよ 開始十分で殺される俳優さんに 感情移入してたら ストーリーわからん"

こんな歌詞を、パカラッパカラッと馬を走らせるようなメロディで歌い上げてしまう五十嵐。五十嵐自身が、ファンの望んでいるsyrup16像に合わせて作っているかのような完成度。

「それ狙ってるよ!」と逆にツッコミたくなりますが、アルバム全体の折り返し地点で持ってきたのはアクセントになって良い判断です。

聴けば聴くほど進行が格好いいことに気付くし、サビの構成も音の作りも格好良い。今回のアルバムは色んなsyrup16gの顔が見れてすごく嬉しい。

今どきのバンドは、サビの歌詞に「死んだっしょ」という言葉を使う勇気はないだろう。

こういう五十嵐のユーモアを好きな人も嫌いな人もいるだろうし、サーティワンアイスクリームの『ポッピングシャワー』のようにパチパチと弾けるインパクトになっているのは事実です。

 

M7 : Dinosaur

"浮かんだのは Dinosaur 乗り掛かった 海上の船"

アルバム中盤に配置される本楽曲は、イメージを膨らませた恐竜ソング。「魚を恐竜だと見間違えた歌」のような、「そのまま恐竜」のような….理解が難しい題材。どういうことだ説明してくれ五十嵐。

ライブでは披露されていない楽曲で、レコーディングで生まれたとのこと。どうやら、今度のアルバムリリースライブでは「ダイナソー君ロンT」というロングTシャツが発売されるらしい。どういうことだ説明してくれ五十嵐。

歌詞を見る限り、船に乗り掛かったのは恐竜ではなく魚のよう。そして、その魚は単体では力が小さく、群れからでたら二秒で死んでしまうような海域にいるようです。どういうことだ説明してくれ五十嵐。

曲調はアップテンポで、ホッピングするかのように軽やかなメロディ。メロとサビに明確な違いはなく、サビでは音の重なりを増やすのみです。それでも、印象的な音作りがされているし、耳に残るメロディをつくってきた五十嵐に拍手を贈りたい。

ライブで映えるだろうし、聴けば聴くほどいい曲だった。

まさか、50歳を見据えてダイナソーという曲を弾くことになるとは、中畑もマキリンも思っていなかっただろう。五十嵐が楽曲を持ってきたとき、「ほぇ~」と想ったに違いない。でも、なんだかんだでメンバーもこの曲好きそうなんだよね。そういうのが感じ取れて良いかも。

 

M8 : モンタージュ

"つまり 存在は ミラクル Choose to marry そんなんじゃ 無理か普通"

映画や写真で、さまざまな断片を集めてつくりだした場面を意味する「モンタージュ」。

長年の思い出を振り返りながら、結婚を選ぶ男女の関係を描いた楽曲です。

もちろん、ただ明るい結婚ソングではなく、結婚を夢見ているけど「そんなんじゃ無理かな」と勝手に諦めてしまう内面が描かれています。そういう弱音を吐露するのが五十嵐特有なんですが、それにしても偏屈すぎないかと。

五十嵐の心境に「結婚」というテーマがあったのかは分かりませんが、今回のアルバムは「二人の関係が実を結ぶ」という歌詞が多いように思います。そういうことを真剣に考え始めたのでしょうか。

"あなたもまだ知らない場所二人で行って あなたもまだ知らない貴方を見つけたり 明日もまだ知らない場所二人で行って 新たにまた知らない自分を見つけたり"

Cメロでガッツリと言葉を多めに、男女の関係を深めたいという想いが写し出されています。

ただ、歌詞の最後の最後で “歪む空 消えない” という晴れない表現を持ってくるあたりに性格がひん曲がった彼の内面を感じてしまいます。別に、こういうときはあっけらかんと明るい結婚概念を歌えばいいと思うのですが…ね。

サビの “つまり 存在は ミラクル” という歌詞が好きです。文章ではなく言葉を3つ繋げるようなテンポに、ミラクルの言い方が次の歌詞 “Choose to marry” に繋がるように控えめであることが高得点かな。

曲調はまったりとした雰囲気です。アルバム「syrup16g」のときのような構成なので、ファンはちょっと毛嫌いするかもしれません。それでも、五十嵐の新曲が聴けるだけでも貴重体験アンビリーバボーですから、ファンに向けた現在の自分という面では色んな意見があっていいかもしれない。

 

M9 : うつして

五十嵐がまたしても「足りない頭」を揺らしてしまった本楽曲。

アルバムのなかでも、分かりやすい進行に乗せてギターとベースのアクセントが光る楽曲です。個人的には癖もなくて、どんな人にも聴いていただける楽曲だと思います。自分の本当の気持ちを言えずに、どんどん人間関係が希薄になっていく現代社会。そんな、社会に切り離されてしまった人に向けて、五十嵐が手を差し伸べているような歌詞が魅力的です。

"あなたの その 痛みを うつして"

アルバム「delayed」の時代を踏襲するような楽曲構成は、好きな人も多いのではないでしょうか。ただし、あの頃のようなインパクトが無いのも事実。ただただ、平凡な楽曲という見方もできます。

それでも、アルバム全体を通して聴いていくと、いい塩梅の存在なのは確かです。

「揺れる楽曲」として存在感を放つ本楽曲は、アルバムをまとめる存在感があります。

 

M10 : In My Hurts Again

"来世には お煎餅屋になりたくて お砂糖とお醤油が奏でる 至高のマリアージュ"

ありがとう、五十嵐。

美味しいお蕎麦屋さんに連れてってくれたあとは、お煎餅屋さんだなんて…

皆さん、五十嵐が歌詞で遊んでいるわけではありませんのでご安心ください。

"一生は平らで ひっくり返して なお 一瞬の怠惰で 全てを失うかも"

と、お煎餅屋さんの下りは比喩表現の入りでした。

押韻や言葉遊びはしっかり進化しています。フレーズを切り取ってみると、結構格好良い運びで構成されています。普通は言葉をいれないような合間に “どこ” という言葉を入れていますし、音と言葉の構成をしっかり組んでいる完成度の高い楽曲でもあります。

選んだ表現は「お煎餅屋」ですが、コード進行も全体的に大人向けな表現で面白い。これは、五十嵐のキラリと光るセンスを全身で浴びることができる名盤かもしれない。

syrup16gを長年聴いていると、だんだんと彼らの持つ「格好良さ」に気付いてくるものです。それがこの曲には詰まっている気がします。

『網の上でお煎餅をひっくり返すような、そういう平和な暮らしをしていたら良かったのにな』という気持ちが現れているように思う。正直、ロックの世界というのはこういうお煎餅でも成立することが正解なのだと思う。

よく聴いてみてくれ、めちゃくちゃ格好いいんだ。お煎餅っていいよな、米って良いよな。

お蕎麦屋さんよりも、リアリティを感じるかもな。

やっぱり煎餅Tシャツが出るよ!!!

 

 

M11 : In The Air, In The Error

"妖星なんてあてにならない Freedom I'm freedom ほっとかないと退屈なだけの Freedom I'm freedom

妖星 (凶事の前兆と見られる不吉な星) が急に歌詞にでてきて驚くリスナーも多かったことでしょう。五十嵐節が歌詞に表れていますが、なんとも分かりにくい歌詞が続きます。

アルバムに1曲はあったニルヴァーナを彷彿とさせるロックですが、Cメロの途方に暮れて肩を落として歩くメロディ構成はsyrup16gらしいです。

"最小単位の 君が変われば 最大規模の センセーション"

王道のロックテイストですが、上記の歌詞の変調はシャウトを利かせていて格好良いです。

過去の楽曲にありそうでしたが、意外となかったテイストでグッド。歌詞の意味を熟考していたのですが、意味がよく分からないというのはロックではよくあるし、それが五十嵐となれば尚更。

ライブだと音源よりも映える楽曲に化けると思いますので、ライブや映像化に期待できる楽曲です。

 

M12 : Maybe Understood

syrup16gらしい英語の使い方に実家のような安心感のある本楽曲。

"Maybe Understood 紡ぎ出そうぜ Maybe Understood 矛盾で絡まった線を 夢中で 巻き戻すのが ミッション"

“鬱になったって闇落ちしたってお腹すくよ” だとか、過去の自分自身を投影したかのようにダークな雰囲気を振り撒く歌詞。そんな救いのない状況でも、サビには「たぶん理解した!」と言いながら前向きな気持ちをもってくるのは好きだな。

ちゃんと一本の筋が通った作りにしているから、最後まで放り投げずにまとめあげる五十嵐の実力も見て取れる。なにより、”Maybe Understood” の言い方が格好いい。なぜ、この言葉をここまで力込めて言えるのだろう。

五十嵐という男が、支持される所以はそういうところにあるんだと思う。

"過ぎ去ってしまうものを どうか捨てないで ルーティンの中にも気づきはあって 過ぎ去ってしまうものを どうか捨てないで おんなじ事は二度と起こらない"

同じように悩みを持った人に対して応援する気持ちを、音楽として届けたいという気持ちが溢れていると思います。ここまで率直な想いを歌詞に乗せるのは珍しい

最近の世の中に対して、音楽でアンサーを出している重要な曲であることは間違いありません。アルバムの中でも、印象的な楽曲です。

 

M13 : 深緑の Morning glow

"油断せんからの脳震盪 酒乱でただのドキュン層 気取った奴は通せんぼ 無心論者さえ桃源郷"

ノリノリの音ハメで綴られるAメロから一転、変調した優雅なサビが印象的な一曲です。

そもそも、タイトルに「深緑」と付いていることが今までにないタッチで新鮮です。

ここまで世界観を練っているのも珍しいかもしれません。公式のアルバム紹介で「押韻が進化している」というような記載がありましたが、とにかく遊び心溢れたメロディメイクを確かに実感できます。

"深緑の Morning glow 二人乗りの Midnight angel ふわりと揺れる髪に 手を伸ばして どうゆうの"

サビから横揺れのメロディに転調するのがオシャレ。オシャレ極まりない。

こういう遊び心のある楽曲がまだ作れるのなら、五十嵐とsyrup16gにはまだまだ期待できるなぁと思う。それほど、この楽曲がファンに与えた印象は大きいものだったでしょう。

 

M14 : Les Misè blue

アルバムタイトルにもなっている楽曲。

温和な楽曲に驚きましたが、今の五十嵐が抱えている想いが荒んでいなくて良かった。

本楽曲は、2021年のライブでは披露されずレコーディングで完成した楽曲。ダイナソーに並んで新曲として収録された楽曲でもあります。

レコーディングしている最中は「暴走している」と自分で明言していた五十嵐ですが、ここまで言葉少なに優しく表現した楽曲が生まれるとは正直以外です。というか感動。

"咲かない花にも 祈りはあるから 友達みたいな 言葉をあげるよ Les Mise Les Mise blue"

「ラファータ」っぽいメロだけれど、ラファータよりも新鮮で美しい。

文字数の少なさこそ、その誠実さの表れかもしれない。

 

CD情報

タイトル:Les Misè blue

リリース:2022.11.24

価格:¥3,520(税込価格) / ¥3,200(税抜価格)

番号:4514306020137

収録曲:01. I Will Come(before new dawn) / 02.明かりを灯せ / 03.Everything With You / 04. Don’t Think Twice(It’s not ovew) / 05.Alone In Lonely / 06.診断書 / 07.Dinosaur / 08.モンタージュ / 09.うつして/ 10.In My Hurts Again / 11.In The Air, In The Error / 12.Maybe Understood / 13.深緑の Morning glow / 14.Les Misè blue

限定付録:

01. UKFC ONLINE SHOP「限定Tシャツ」

02. タワーレコード特典「レミゼくんマグネット」

 

特典「レミゼくんマグネット」

※ 予約特典のレミゼくんマグネット

タワーレコードの予約特典「レミゼくん」マグネット

表面はツルツル系で、5cm四方の薄くて柔らかいマグネットです。

五十嵐直筆のイラストで、今回のアルバムツアーグッズでもラバーキーホルダーとして登場しています。そして、早くもメルカリで1333円で落札されている模様。五十嵐画伯と呼ぶべきだろうか。

わたし個人としては、使い道が無さすぎて保管ブースへ直行である。

いや、syrup16gはこれがいい。

冷蔵庫の表面に、ちゃっかり貼り付いているくらいのマグネットが一番いいんです。

 

 

終わりに

今回は、syrup16gがリリースした「Les Misè blue」についての楽曲レビューでした。

syrup16gの今抱える気持ちというものが、とても前向きで美しくて、それだけで嬉しいアルバムでした。

「今作が初めてのsyrup16gだよ」という人にも、受け入れやすいアルバムに仕上がっているのではないでしょうか。そういうCDを出せたのは、彼らにとっても大きく前進できた作品になると思います。

まだまだ聴き倒すぞ「Les Misè blue」!

 

「Les Misé blue」に収録される前の楽曲達が披露された東京ガーデンシアターでのライブがDVD&BDでリリースされました。編曲されるまえの未発表曲たちが披露された貴重なライブですので、ぜひ映像作品で楽しんでみてください。

 

リンク

syrup16g公式

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