当記事はTHE BACK HORNの紹介ページです。
THE BACK HORNとは
ジャンル
オルタナティヴ・ロックバンド
結成
1998年。
デビュー
インディーズ
1999年:アルバム『何処へ行く』
メジャー
2001年:シングル『サニー』
特徴
Gt.菅波栄純の生み出す特徴的な歌詞とメロディに、Vo.山田将司の熱力が加わることで心が震える音楽となる。「平和な時こそ隠れてしまった孤独や悲しみに光を」という思いが楽曲に込められており、衝動と静寂の2面性が融和したバンド。
デビュー当時から現在にかけて、都度違う視点から音楽制作が行われている。荒々しさの中に儚い内面が描かれており、誰もが抱えるであろう心の闇にスッと寄り添ってくれる音楽がある。
メンバー
Vo. 山田将司(やまだまさし)

誕生
1979年10月8日
出身地
茨木県
楽器
ギター、ピアノ、ハーモニカ、アコーディオン、トランペット
多彩な楽器を演奏できるマルチプレイヤー。
人物
全身をポンプのように使って発する熱量の多い声が特徴。荒々しさの中にも静寂があり、楽曲やフレーズによって時には美しく歌い上げる。並外れた肺活量の持ち主。
バンド活動以外にも、スペシャルドラマ「東京タクシー」で俳優に挑戦している。同ドラマの主題歌「この手広げて」、鏡月CMソング「きょう、きみと」等のソロ楽曲もリリースしている。
2020年に声帯ポリープが見つかり摘出手術を受けたが、それでも歌い続けられるその信念は多くの人々の心を動かし続けている。
Gt. 菅波栄純 (すがなみえいじゅん)

誕生
1979年10月16日
出身地
福島県
楽器
ギター(愛機:Gretsch)
人物
THE BACK HORNのほとんどの楽曲の作詞を担当する。
ライブでは素足で踊り狂う自由奔放なプレイで楽しんでいるが、本バンドの根幹ともいえる楽曲の世界観を生み出している。狂い盛った楽曲から、可憐な楽曲まで多種に渡る。
“JUNNNA” , “みゆはん” , “Gacharic Spin” , “ACCAMER” , 等のアーティストに楽曲提供を行っており、アニメ楽曲も手掛けている。また、2021年からはeijunとしてソロ活動をしており、『あいしてぬ』『君を、想う』等の作詞・作曲を手掛けている。
近年では、楽曲解説や、曲つくりについての動画も投稿している。
楽曲からは想像できないほどに本人のキャラクターは愛らしく、人懐っこい。フジテレビ系「アウト×デラックス」では、アウト軍団として地上波にも多く出演した。
Ba. 岡峰光舟 (おかみねこうしゅう)

誕生
1978年10月14日
出身地
広島県福山市
楽器
ベース
人物
和音による唯一無二のフレーズを持ち味としたベーシスト。
グリッサンドやハンマリング・オン等のテクニックも目を見張るものがあるが、和音を楽曲のアクセントに取り入れたセンスの高さが光る。ベーシストとして音の構成が非常に面白く、多くのプロから賞賛されている。日本のトップベーシストの一人。
2001年に脱退した平林直己(ひらばやしなおき)の後任として2年間のサポートを経て正式メンバーとして迎えられる。
自他共に認める歴史好きであり、解説員として呼ばれるケースもある。
広島カープの大ファンであることから、特集やイベントに参加することも―
「美しい名前」「ペトリコール」「ゆりかご」の楽曲では、”ゆらぎ”という岡峰の得意なベースを特に堪能することができる。逆に彼の超絶技法を堪能できる楽曲は「ペルソナ」「グローリア」「パレード」「自由」などが挙げられる。是非上記の楽曲は聴いてみて欲しいです。
Dr. 松田晋二 (まつだしんじ)

誕生
1978年5月24日
出身地
福島県東白川郡塙町
楽器
ドラム
人物
バンドのリーダー。楽曲を思いながら組まれた美しいドラム構成が光る。
ライブでは他メンバーがほとんど喋らないため、MCを担当することが多い。ライブやバンドのプロデュース活動等を率先して行う、縁の下の力持ちポジション。
2021年には地元福島の白河ラーメンPR大使に選ばれている。
THE BACK HORNの楽曲
彼らの音楽には、衝動と静寂の2面性があります。
本章では、THE BACK HORNの楽曲を数曲ピックアップし、その音楽の魅力について触れていきます。
※ ディスコグラフィーは掲載しません。公式HPまたはWikiの参照をお願いします。
今年は13thアルバム「アントロギア」のリリースがありました。
アントロギアの全曲レビューを行った記事は以下から
■ THE BACK HORN 13thアルバム「アントロギア」レビュー
インディーズ時代の名曲
「風船」
2000/09/25に発売された、インディーズ時代の名曲「風船」。
今から22年も前の楽曲ですが、その美しさには現代を生きる人々にも刺さるものがあります。
メロのアルペジオはもの悲しさと哀愁があり、当時のロックバンドとしては珍しい構成でした。サビと間奏の熱量のある演奏は、まさに彼らの音楽を象徴しています。二十歳前後の若者が歌う楽曲としてはかなり挑戦的で新しいロックだったと思います。
「風船」は脱退したベーシスト平林が映っている唯一のミュージックビデオであるため、ファンからも非常に評価されています。
インディーズ時代の楽曲はどの曲も非常に人気が高く、ニューレコーディングされた楽曲が収録された「ALL INDIES THE BACK HORN」が2018年にリリースされています。
「何処へ行く」
ニューレコーディングしたインディーズ時代の楽曲「何処へ行く」。
20年近く経ったメンバーが歌う「何処へ行く」は、過去と現在を振り返るものとなっています。
インディーズ時代の楽曲は、Gt.菅波が全楽曲を手掛けています。その音楽は独特で、日本人だからこそ選べる言葉のチョイスや、メロディラインが光っています。
THE BACK HORNがどのようなバンドか…インディーズ時代の楽曲からその根幹が伺えるのです。
人を殺すような衝動と、切ない内面抱えた「生と死」を描く楽曲
「コバルトブルー」
2004年にリリースされた「コバルトブルー」は、音楽雑誌やテレビ、ラジオで大きく取り上げられる楽曲となりました。この頃には既に、高い評価を得られた楽曲を多数リリースしており、音楽関係者やロックバンドファンから注目されるバンドへと成長していました。
バンド結成当時から「生と死」について歌う楽曲が多く、バンドを象徴するテーマになっていました。音楽としては荒々しくも、その内面に潜ってみると “しっとり” と切ない核が存在する…。そういう2面性が大きく評価されていくことになります。
ちなみに、コバルトブルーはケロッグコーンフレークのCMソングに起用されています。
「初めての呼吸で」
5thアルバム「太陽の中の生活」は海外レコーディングとなる新たな試みが行われました。
そのなかの代表的な楽曲「初めての呼吸で」は、THE BACK HORNの中でも非常に大きな反響を呼んだ楽曲となっています。生きることの無常と美しさを描いた楽曲で、音楽プロデューサーや、違う世界で生きる知名人たちを『音楽という芸術』として引き込むきっかけにもなりました。
この頃から、アルバムを発売するとTOP20に必ずランクインする程の知名度となりました。
「美しい名前」
15thシングル「美しい名前」では、Gt.菅波の実話が楽曲に込められています。
そして、Ba.岡峰の代名詞ともなる和音ベースを象徴する楽曲です。メロ部分の和音引きは、バンド楽曲でなかなか取り入れることのできない演奏法でした。その和音を楽曲の雰囲気とマッチさせて取り入れた本楽曲は、多くのベーシストを驚かせることになったのです。
バクホンを語る上で、岡峰のベースは必ず触れるべき点でしょう。彼の得意とする「泣きのベース」と「ゆらぎのベース」はロックバンドとしてなかなか取り入れることのできないフレーズです。そのフレーズをアクセントとして多くの楽曲に取り入れているのは、日本ではバクホンくらいです。
特徴的な演奏陣がいるからこそ、バンドが高く評価されているのです。
「心臓が止まるまでは」
2019年配信された「心臓が止まるまでは」。
この楽曲で、現代におけるTHE BACK HORNの世界が完全に開花したように思います。
音ハメの連続と耳に残るメロディ。印を踏むけれど、どこか逸脱したセンス。枠にハマっていない音楽を40歳を超えた身でもまだ生み出せることを証明した瞬間です。本楽曲は今までTHE BACK HORNを離れていた人たちが再度振り向くきっかけとなり、楽曲を収録したアルバム「カルペ・ディエム」は、彼らを知らない層にも届くことになりました。
この頃から、YouTubeなどの媒体を通してプロモーションビデオをすべて無料で観れるようになりました。この、楽曲を解放していく方向が彼らにとってもプラスに働いたのです。
多くのタイアップ楽曲
「罠」「閉ざされた世界」はアニメ『機動戦士ガンダム00』で起用されることとなりました。アニメのED楽曲として使用された「罠」にハマった監督からのオファーを受け、映画版で「閉ざされた世界」が使用されることになり。ガンダムファンからも認知されるバンドへとなったのです。
映画とのタイアップもあり、上記機動戦士ガンダム00。映画「アカルイミライ」主題歌「未来」。「キャシャーン」の挿入歌「レクイエム」。「ZOO」の主題歌「奇跡」。「魁!!男塾」の主題歌「刃」。など多数。
CMとのタイアップもかなりあり、ZETT CMソング「花びら」、ケロッグコーンフレーク「コバルトブルー」、プロシードチャクチャクCMソング「美しい名前」、ちふれ化粧水「クリオネ」、グリコポッキーチョコレート「ビリーバーズ」、タウンワーク「With You」 など多数。
タウンワークのCMでは、数秒流れたのみでしたが松本人志さんとの映像コラボに燃えたファンも多かったようですね。
※ ちふれ化粧水 楽曲「クリオネ」
宇多田ヒカルとコラボした楽曲「あなたが待ってる」

2017年2月にリリースした楽曲「あなたが待ってる」。
本楽曲は、宇多田ヒカルと一緒に制作したコラボ楽曲としても有名です。宇多田ヒカルがバンドとコラボするのは非常に珍しく、ましてや一緒に楽曲制作をするのは異色です。
宇多田ヒカルさんから「このバンドが気になる」とコンタクトがあったようで、コンタクトを取る過程で楽曲制作に結び付いたようです。
楽曲においても2番からコーラスとして参加しており、非常に大きな存在感を放っています。
彼らの音楽は、今までの邦楽ロックバンドが走ってきた轍を少し外れて、並行するように未開の道を突き進んでいるのでしょう。そういう少し外れた場所にいる才能が、注目される要因なのだと思います。
住野よるとコラボした作品「この気持ちもいつか忘れる」

「君の膵臓を食べたい」で有名な小説家、住野よるとコラボした作品。
本作は、世界観を表す5曲を収録したCDが封入されている小説で『音楽と小説のコラボ』は小説界でも初となる試みでした。住野よるさんがバクホンの大ファンということで実現したコラボであり、小説の中には、作者が好きな楽曲TOP10の冊子が封入されています。
筆者も小説を最後まで見ましたが、「人の心の中を表す音」としてバクホンの楽曲がうまく絡み合っており、癖のある彼らの音楽をうまく小説の世界に取り込んでいました。
最近のトレンドとして、異種職業がコラボする作品があります。これから先、様々な方面からバンドを目にすることになるでしょう。その一つを目の当たりにした瞬間ですね。
話は変わりますが、THE BACK HORNも特殊な本を発刊しています。「生と死と詩」という詩集で、今まで彼らが発表してきた楽曲の歌詞を集めたものです。THE BACK HORNは歌詞の存在がとても重要なので、その歌詞を集めた詩集は、それだけでも一つの小説のような完成度でした。また、詩集に封入されているCDには「コオロギのバイオリン」という楽曲が収録されており、バンドとして最長の8分越えという長編に挑んでいます。

THE BACK HORNとの出会い
私がバンドに出会ったのは、中学1年の頃でした。
その頃から、邦楽ロックバンドに興味がわき始めていまして、ふらっと立ちよったタワーレコードで3rdアルバム「イキルサイノウ」を手に取ったのが出会いです。
「イキルサイノウ」は衝撃的な出会いでした。
自分の家庭は物心ついた頃からロックバンドが身近になりました、姉がCDを借りてMDに入れたものを自分はコンポを使って聞くような毎日。当時はハイスタンダードやMONGOL800、GoGo7188などの邦楽ロックが日常を埋めていました。
その中でもTHE BACK HORNは異彩そのもの。不穏な雰囲気や、ドロドロした楽曲に触れるのが初めてだった自分は、ロックを根底から覆されるような衝撃だったのを覚えています。
一曲目の「惑星メランコリー」を聴いたとき、自分の熱中できるものに初めて出会ったような気持ちになりました。そこから長い付き合いとなったバンドです。
出会ってから随分経ちましたが、いまだに自分の中で好きなバンド1位です。
これからもバクホンを超えるバンドは自分の中で出てこないんじゃないかと思います。
ライブには計5回ほど行きました。
フェス2回と「KYO-MEIライブ~裸足の夜明け~」「”KYO-MEI大会”」「マニアックヘヴン」です。
自分はあまりアーティストのライブって行かない人間なのですが、気付いたら身体がチケット予約をしていました。フェスは身内と行きましたが、本当に楽しかったなぁ。
本当はもっとライブ行きたいんですが、行動力0人間だからなかなか行けず。
アントロギアのライブは過ぎてしまったので、次の機会があれば行きたいものです。
筆者がオススメする楽曲5選
生き急ぐ現代の葛藤を描いた7thシングル「生命線」。
カルペディエムの先行配信シングル「心臓が止まるまでは」。
インディーズ時代の名曲「冬のミルク」。
命の儚さと喜びを歌った海外レコーディング作品「初めての呼吸で」。
大人になって理解する若い頃に残した光&闇を歌う「思春歌」。
思い入れの強い楽曲ばかりなので一度聴いてみてください。
■AppleMusic:THE BACK HORNページ
以上で、THE BACK HORNの紹介を終わります。
本ページは随時更新していきます。
また当サイトでは、彼らの音楽に対するページや、その他バンドの関連記事を上げていきます。
直近では「応援するバンド」の紹介ページを作成していきますので宜しくお願いします。
リンク
■ 内部リンク(ニューアルバム感想):THE BACK HORN 13thアルバム「アントロギア」レビュー